この宮沢りえさん主演の映画「月」についてや優生思想など、どう書けばいいか悩む中、今観るか悩んでいる方の選択の手助けになるかもと思い、この宮沢りえさん主演の映画「月」と自分の対峙、優生思想との対峙として、まとめてみました。
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宮沢りえさん主演映画「月」のモデルは?優生思想とは?
この映画は、実際に起きた障がい者殺傷事件をモチーフにした辺見庸さんの同名小説の映画化。
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月 (角川文庫)
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月
その小説のモデルとなった事件は、公には書かれていませんが、おそらく2016年に起きた障害者施設「津久井やまゆり園」での事件と言われています。
その実際の事件の元職員の植松聖死刑囚と思われれる人物と、彼に関わる人々を軸に、別の人物が主人公としてその事件までの出来事が描かれています。ただ、小説と映画では、主人公が違います。ネタバレになるので、あまりそこに関しては書きませんが。
この映画を通して知った優生思想という考え方
この映画を通して、お恥ずかしながら初めて「優生思想」というものの存在を知りました。
そしてこの映画を観た事をきっかけに、この「優生思想」という考え方、実は生活のいろんな場所に潜んでいるのでは?という事実にショックを受け、そして自分はどう思っているのかという問いへつながりました。
映画「月」の中でも、宮沢りえさんとオダギリジョーさんが演じる夫婦が出生前診断をするかどうか、結果が出た際どうするかというやりとりがあります。自分ならどうするか?
この映画の原作本である「月」のモデルとなった事件。
その事件の犯人、植松聖(さとし)死刑囚の「生産性がなければ生きる価値がない」という考え方。自分自身はどう思っているのかという事を、この映画を観ながら心にぐいぐい踏み込まれてくる感じです。
とにかく、怖かった。観ている間ずっと。ただ、それはこの事件について、自分が観たいと思わずにできれば過ぎ去ってほしいとどこかで思っていた自分の色々な心の奥底、そして今自分が生きている世界についてどう観るかという問いの闇に踏み込んでいきます。
映画は、本当の感想を誰かに言わなくてもいい。ただ、自分自身が自分がどう思っているかを垣間見るきっかけとなるのは間違いありません。それは、気づかないふりをして過ごすより、今もしかしたらするべき事のような気はしました。
このモデルとなった事件についての関連書籍を調べてみました
まず、この映画を観て感じたのはこの映画はフィクションである事。それならば、一体どこまでが本当で、どこからが創作なのかを知りたくなりました。
という事で、私が知る範囲で関連する書籍を調べてみたところ、有限会社創出版が発行されている 月刊『創』(つくる)でかなり取材された記事を見つけました。
2017年の9月号で、獄中の植松聖被告から届いた手紙、2017年『創』10月号で植松死刑囚の獄中ノートの記事を書かれている。
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更にそこから4年後の2021年の8月号で、植松死刑囚が勤務していた当時に書いた支援報告の内部資料を、関係者の内部告発を通じた記事や、同年の12月号で、作家の渡辺一史さん(映画『こんな夜更けにバナナかよ』)や、やまゆり園施設の元職員の方などとの座談会が掲載されているようです。
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この映画や事件については多くの方が関連の投稿をされています。その中で、私自身が一番驚いたのは犯人が生きていて、そして獄中で漫画家となって作品を発表している事実でした。(ここでは紹介を控えます)
「プリズンサークル」というドキュメンタリー映画をご存知でしょうか?
この宮沢りえさん主演の映画「月」で観客に投げかけているもの。それを、自分はどう捉えたらいいのか、どう考えたらいいのか…答えの出ないまま、でこれを書き始めた時に、過去に鑑賞したドキュメンタリー映画「プリズンサークル」を思い出しました。
取材許可がおりるまで6年、撮影に2年をかけて作られたドキュメンタリー映画「プリズンサークル」
更生を促す「TC(回復共同体)」という対話による更生プログラムを採用している日本に一つしかない施設での受刑者を中心に記録されたドキュメンタリー。
この作品は犯罪を起こした方々と対話していく試みについて密着したドキュメンタリー映画です。
私が印象的だったのが、(記憶が曖昧なので間違えていたらすみません)ある殺人犯がなぜそれをしたかの理由を告白するくだりで、面識のある方の家に強盗に入った際に見つかってしまい、その理由を説明する事ができず殺すしかないと思ったというようなお話をされていました。
普通の青年でした。
ただ、彼はそこに至るまで、誰にもおそらくそれを相談できなかった。知人であるその方々にも話せなかった訳です。そして、見つかった瞬間でさえ、言葉が見つからず、いたたまれない状態を逃れる為の選択だったようです。
かたわらに心を開ける人がいるかどうか、そういう場があるかどうか。凄くずっしりと感じたドキュメンタリーでした。この作品は、配信はされておらず、自主上映会という形で公開されているようです。
公式HPをこちらにご紹介させて頂きます↓(映画「プリズンサークル」のHPに飛びます)

ドキュメンタリー映画「プリズンサークル」は書籍化もされており、そちらは通販などでも手に入ります。こちら↓(クリックするとAmazon、楽天サイトに飛びます)
正直、宮沢りえさん主演映画「月」について、それを観た感想や、どうしていけばいいのか、答えはまだ出ていません。でも映画を観た事で、自分の心の奥を、怖いけど見てみようと思うきっかけとなりました。
映画「月」の中で提示されている事は自分自身の心の中にも少なからずあるものなのではないかと。そこに対峙するかどうか、対峙した後どんな生き方をするかは自分自身の問題ではあるけれど。
この先もずっと、人との対話について、自分以外の方の話、視点を知る事。私自身も学んでいかなければと感じました。
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